「民家フォーラム2005~みつめなおす、風土の中の職人と技術の結晶~」という催しが金沢市の市民芸術村で開催されています。昨日おこなわれたパネルディスカッションに参加しました。
日本民家再生リサイクル協会(JMRA)
「幾世代も風雪に耐えてきた日本の民家が、経済・社会構造や生活様式等の変化の中で取り壊され、また農村漁村のいっそうの過疎化のなかで失われようとしています。
黒光りのする大黒柱、手斧で削った太い梁、木彫りの欄間など・・・伝統的な日本の住まいは、地元に育った木とその地域の人々の技術で、それぞれの風土と暮らしにあった特色ある民家を形成してきました。民家は、いちど滅びれば再び得ることのできない、日本人が創造した日本の住文化の傑作といえます・・・」
古民家には人々が長く生活してきた中で培われてきた知恵がいかされています。地域の自然や風土のめぐみを受けて叙々に進化してきた日本の民家ですが・・・絶滅の瀬戸際にあるのではないでしょうか。金沢市の町屋なども、一軒取り壊されるとくしの歯がこぼれるように次々と姿を消していき、町並みを形成しなくなります。古きよきもの、歴史あるものを活用しつつ大切に保存し、なんとか後世に継承したい・・・と私は思うのですが。しかし、パネルディスカッション時のある参加者の方の次のような意見もご紹介せねばなりません。
「私は金沢市内で親子3代に渡って昔の古い家に住んでいます。確かに愛着もあるし、家族の絆というものも感じられる。しかし、時代に合わないし第一不便すぎる。そしてこの建物を維持しようとすると一世代で家一軒建てるぐらいの費用がかかるんです・・・」
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